工場の自動化が進む中、注目されている仕事が「設備保全」。いくらロボットやAI(人工知能)の設備が広まっても、それを稼働させてメンテナンスするスタッフが必要。設備保全は保守点検の担当者として、今後も需要が高いと考えられています。
ただ、転職の前には、「設備保全って、きついんじゃないの?」と不安になることもあるもの。実際、設備保全は大変なこともあるため、前もって知っておくことが大切です。
工場の設備保全は、きついこともある。大変なことを先に確認!
設備保全の仕事で大変なのは、ここから紹介する4点。
【設備保全の仕事、ここがキツイ】
- 夜勤がきつい
- 仕事が単純で、人によってはきつい
- 工場によっては、急な呼び出しがあってきつい
- 仕事に慣れてくると、新しい技術や知識が身に付きにくい
どんな仕事も、メリット・デメリット両方あります。逆に言えば、先に大変なことを知っておけば、心の準備をしやすくなるはず。ポイントを順番に解説します。
夜勤がきつい
設備保全は工場・ロボット設備を安定して動かすために必要とされます。工場やロボットは24時間稼働することが多く、設備保全もそれに合わせて夜勤があります。
設備保全は多くの職場で、2交替か3交替のシフト勤務。2交替は1日の勤務時間が長くなるものの、まとめて働けるので人によってはラクなはず。3交替は8時間勤務が基本で、夜勤が初めての人でも慣れやすいです。
夜勤は慣れれば普通になりますが、最初の2週間〜1ヶ月はキツイはず。夜中の仕事は起きているだけでも大変なので、特に朝方の人は大丈夫か確認しましょう。ちなみに夜勤があると「夜勤手当」が出るため、収入は良いです。
仕事が単純で、人によってはきつい
設備保全は工場がスムーズに動いていれば、何もすることがないこともあります。また、大きなトラブルがない限り、やることは設備のモニターで状況をチェックするくらい。何か起きた場合のために気を配っておく必要はありますが、ラクといえばラクです。
ただ、こうした仕事の単純さが、逆に飽きる原因にもなるもの。単純作業やムダな時間が苦手な場合、設備保全の仕事は逆につらいかもしれません。
今の世の中、大変な仕事は多いもの。設備保全は高収入を狙いにくいものの、そこそこ安定して働くには良い仕事といえます。
工場によっては、急な呼び出しがあってきつい
設備保全が本当に活躍するのは、工場設備にトラブルが起きたとき。原因を突き止めて対処する必要がありますが、職場によっては急な呼び出しがあることもあります。
ただ、上でも紹介したように、設備保全はシフト勤務がほとんど。トラブル対処はその時間に働いているスタッフが担当するため、呼び出しがある職場はかなり少ないはずです。
また、トラブル対処と聞くと「自分にできるのかな」と感じるかもしれませんが、「よくあるトラブル」は原因と解決策がマニュアル化されています。工場の先輩などもわかっていることが多いため、多くの場合はある程度の時間をかければ解決します。
もし解決しない場合、設備やロボットのメーカーに問い合せたり、ほかのスタッフと相談したりして対処することになります。
急な呼び出しが気になるなら、面接で「お休みのときに、トラブルの対処で急な出勤などあるのでしょうか」のように質問しておくと良いです。もしくは求人の紹介や面接のサポートをしてくれる転職エージェントで、「この企業は急な呼び出しがあるのか確認したいです」と相談しましょう。
仕事に慣れてくると、新しい技術や知識が身につきにくい
設備保全は、何もトラブルが起きなければ平和な仕事。定期的にモニターをチェックするだけで良い日もありますが、逆に言うと「技術や知識が身につきにくい」ということでもあります。
最近はどんな仕事でも、自分の経験やスキルを高めることが大切。実力の高い人は、それだけ給料がアップしやすく、昇進や転職でも有利になります。
設備保全は時間が空くこともあるため、技術について勉強したり、資格を取ったりするのも良いです。電気系統の資格は、設備保全の仕事に役立ちます。
設備保全は、逆に良いところもある
ここまで大変なところを紹介してきましたが、設備保全は逆に良いところもあります。メリット・デメリットを比べて、自分にとって良い仕事か考えてみてほしいと思います。
【設備保全は、良いところもある!】
- 未経験でも始めやすい
- シフト勤務で、残業が少ない
- 自動化が進む中、今後も需要が高い
- 体力に自信がなくても働ける
未経験でも始めやすい
設備保全は、未経験でも始めやすい仕事。設備の動かし方と点検・メンテナンスの仕方を覚えれば、ひとまずの業務はできます。
知識が必要な設備の運転やトラブルの対処法は、そのあと身につけていけばOK。仕事の中でひとつずつ覚えていけば、スキルアップもできます。
これから新しい仕事を始めようと思っている人に、設備保全はおすすめです。
シフト勤務で、残業が少ない
シフト勤務は夜勤があるものの、残業は少なめ。定時になると次の担当者が来るため、簡単に引き継ぎをして仕事終了。メリハリをつけて働けます。
ただし設備の大きな故障などが起きると、残業してほかの人と一緒に対処することもあります。複数人が必要なトラブルは少ないですが、完全に残業ゼロの職場はほとんどないので気をつけてください。
自動化が進む中、今後も需要が高い
設備保全の需要は、これからも伸びる可能性が高いです。ロボットやAIによる工場の自動化が進み、それに合わせて設備保全のスタッフがより必要になるためです。
つまり今のうちに経験を積んでおくと、これから働き始める人より良い立ち位置で働けることになります。保守点検やトラブル対処に強くなることで、あらためて転職する場合も好条件な仕事が見つかりやすいはず。
これまでも設備保全の仕事はありましたが、今は特に注目度が上がっています。
体力に自信がなくても働ける
設備保全の仕事は、モニターの確認やパネルでのボタン操作で終わることも多いです。動き回ることもありますが、製造スタッフのように重いものを持ったり立ったり座ったりを繰り返すことは少ないため、体力に自信がなくても働けます。20代や30代はもちろん、40代などの人にも向きやすい仕事といえます。
「製造の仕事は体力的にきついけど、オフィスでのデスクワークはできそうにない」
こんなときに、設備保全の仕事はおすすめです。
どんな仕事でも大変なことはある。メリット・デメリット両方から考えよう
世の中にはさまざまな仕事がありますが、どんな仕事にも大変なことはあります。ただ、逆に良いところもあるため、メリット・デメリットの両方を考えることが大切。
設備保全もここで紹介したような大変さがあるものの、良いところも合わせて考えると、転職するのも良い仕事。特にこれから需要が高まるのは大きな魅力のため、これから経験や知識を身につけるのも良いです。
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