数ある製造の仕事の中でも大切な役割がある「生産管理」。技術の知識がある場合、次のステップの転職としてオススメです。
生産管理はその名の通り、工場の生産を管理する仕事ですが、いざ考えてみると「どんな仕事なの?」ということはあるもの。そこでここでは、生産管理の仕事内容や転職する上でのポイントを解説します。
生産管理とは、工場の生産を管理・コントロールする仕事
工場では製品が作られていますが、「月にいくつ作るか、どれくらいのペースで、どういうスケジュールで作るか」を決める必要があります。生産管理はこのように、「工場での生産を管理・コントロールする業務」をします。要するに、「工場のマネジメント担当」といえます。
工場の生産量をコントロールするということは、製品がどう作られるかを理解している必要があります。
つまり生産管理は生産設備や各工程にいる担当者の役割、工程ごとのリーダーなどについて把握が必要で、広い視野をもっていないといけません。単純にものづくりのスキルがあるだけでは仕事をこなせず、複数の工程を担当した経験があったり、リーダー経験があったりすると転職しやすいです。
生産管理の主な仕事内容
生産管理の仕事は、工場によって本当にさまざま。それぞれの職場ごとで抱えている問題は違い、「生産スピードをもっと上げたい」「タクトタイム(各工程の作業時間)を短くしたい」「工場の動線を見直したい」など、幅広いです。
生産管理はマネジメント的な役割をするため、「品質を保ちながら、よりコストを抑えて大量生産するにはどうするべきか?何が必要か?」を考えて、自分で動く必要があります。
先輩や上司から教えてもらう待ちの姿勢ではなく、「動線をこう変えたらどうだろう?」「作業の仕方をこうするのはどうか?」「材料の調達先を見直そう」など、積極的に新しいアイデアを打ち出していく必要があります。
逆に言えば自分の裁量でできることが多いため、技術の知識があれば、存分に活躍しやすい仕事といえます。スケールの大きいものづくり経験を積むなら、生産管理はピッタリです。
また、生産管理の担当者はほとんどの工場で1人ではないはず。複数の担当者と話し合いながら生産目標や計画を立てたり、営業や製造現場のリーダーと連携してプロジェクトを進めることもあります。経験を積むとより大きなプロジェクトを任されたり、工場全体のリーダー的存在になれる可能性もあります。
生産管理なら年収500万円ほどは十分狙える!800〜1,000万円のチャンスもあり!
より広い視点で働く生産管理は、年収アップも期待できます。上の求人はリクルートエージェントのものですが、案件をざっとチェックすると500万円前後の求人は多く、スキル・経験に応じて800〜1,000万円という仕事もけっこうあります。かなりイイですね。
当然ですが、高収入を狙うには自分に高い能力や実績が必要。ただ、意外と自分が気づいていないだけで、面接で転職先の企業にアピールしきれていないことはよくあります。面接を受ける前に自分のキャリアを振り返ることで、年収アップにつながる効果的なアピールをしやすくなります。
生産管理への転職に必要な能力・向いている人
【生産管理に求められる能力】
- 技術の知識全般(工場の製品に直結する知識はもちろん、機械・電気・化学・バイオ・数学あたりなら幅広くあると役立つ)
- 製造や品質管理の実務経験(複数あると、より良い)
- コミュニケーション能力
- 工場のリーダー・管理職の経験
生産管理は、製造現場での実務経験がないと転職しにくいです。その理由は、実際にものづくりをしたことがないのに生産計画だけ立てると、「机上の空論」になりやすいため。実務をしたことがあると現場をイメージしながらアイデアや計画を考えることができ、活躍できる人材になれます。
また、生産管理は部署内の人だけでなく他部署とのやり取りも多いため、コミュニケーション能力が必要。
明るく雑談する営業のような雰囲気は必要ありませんが、「自分の考えをきちんと相手に伝える」「周りの人へこまめに報告・連絡・相談を意識して、密に連携する」などの意識が大切です。ものづくりをもくもくと頑張るなら、研究や製造部門でスペシャリストを目指すほうが良いでしょう。
こうしたことから、生産管理に向いている人は次のような人です。
【生産管理が向いている人】
- 製造現場の仕事からステップアップしたい人。
- 技術の知識に自信がある、または「多少の知識はある」と思える人。
- コミュニケーションが苦手でない人。
- より大きなスケールの仕事がしたい人。
- マネジメント職のキャリアを積みたい人。
生産管理へ転職するなら、「これまでの経験」と「志望動機」でアピール!
生産管理に転職を考えるとき、多くの場合は「製造職からのステップアップ」になるはず。そのため転職で大切なのは、「これまでの経験」と「志望動機」の2つになります。
この2つをどう準備するべきか?ここから解説します。
これまでの経験は、製造現場で身につけたスキルをとにかく伝える!
面接では自分をアピールする必要があるため、これまでの経験を伝える必要があります。次のポイントを基準にして、自分の経験を紙に書き出してみてください。なるべく細かく、具体的に書き出すと転職のときにアピールしやすくなります。
【自分の経験を洗い出すときのポイント】
- 自分が担当していた工程
- 何年くらい担当していたのか?
- 実際に行っていた仕事内容
- これまでに挙げた実績
- 身につけたスキル・できるようになったこと(図面の読み取り・マシニングセンタの使い方・光学顕微鏡の使い方など)
- 学んだ知識
頭だけで考えてもまとまらないため、紙に書き出すと良いです。たくさん絞り出すようにすると、「自分って、意外といろんなことができるな」と感じるはず。すると整理して、面接で伝えやすくなります。
志望動機(転職理由)は「マネジメントにステップアップしたい」というニュアンスで伝える
志望動機は人によって自分の考えがあると思いますが、「マネジメント職にステップアップしたい」というニュアンスで伝えると良いです。
生産管理はより広い視野で工場を見る必要があるため、マネジメント的な視点が必要。「これまで製造担当として働いてきたが、生産管理でマネジメント的な仕事に就くことでステップアップしたい」というのは自然な流れです。
製造の経験があれば自分の技術や知識を活かせる工場を選ぶはずなので、「なぜウチの会社がいいのか?」という問いには「これまでの知識や経験を活かせると感じたため」で大丈夫でしょう。
ある程度の経験があれば、身につけたスキルや志望動機は自分で考えられると思います。ただ、転職エージェントでプロからアドバイスをもらうと、自分が思いつかなかった視点からアドバイスをもらえることもあります。転職エージェントはスキルのある人には好条件な求人を提案してくれることもよくあるので、ぜひ使ってみてくださいね。
生産管理へ転職するときに使うべき、オススメの転職エージェント
最後に、生産管理へ転職するときに使うべき、オススメの転職エージェントを紹介します。
製造職としてある程度のキャリアがあるなら、それをきちんとわかってくれるエージェントを使うべき。一般的な転職エージェントだと「スタッフが文系で頼りない・・」ということがあるため、技術の知識があるスタッフにサポートしてもらえるサービスが適しています。
大手のマイナビ運営の、ものづくり専門のサービス「マイナビメーカーAGENT(エージェント)」
まずオススメなのは、大手のマイナビが運営する「マイナビメーカーAGENT(エージェント)」というサービス。ものづくりエンジニアに特化した転職エージェントで、スタッフが技術や製造の知識をしっかりと持っています。
マイナビは大手なのでネットワークが広く、大手から中小までさまざまな求人を確保。スキルのある人に紹介される「非公開求人」も多いので、高収入も目指しやすいです。
さらにマイナビは転職ノウハウを蓄積していて、スタッフの提案力や面接のアドバイス・サポート力も高いです。トータルで考えて、「まず使うべきエージェント」といえます。
>>「マイナビメーカーAGENT(エージェント)」の公式サイト・詳細
専門的な求人が充実!製造業専門のエージェント「メイテックネクスト」
次にオススメなのは製造業専門のエージェント「メイテックネクスト」。生産管理や設計・開発など専門職の求人が多く、製造業の経験者にとってはムダな求人が少ないはず。こちらもマイナビには劣りますが規模の大きなエージェントのため、求人は幅広く揃っています。
メイテックネクストは製造業専門をいち早く打ち出したサービス。そのためトヨタやデンソー、パナソニック、ダイキンなど、大手の求人もたくさんあります。
もちろん転職のハードルは高くなりますが、せっかく会社を変えるならチャレンジしてみるのも良いと思います。各企業の選考会や説明会がメイテックネクスト向けに行われているので、参加してみるのも良いですね。
大手から中小まで、幅広い求人が充実の大手「リクルートエージェント」
最後は大手のリクルートが運営する「リクルートエージェント」。転職エージェントの先がけ的存在として、トップクラスの規模を誇ります。
リクルートもマイナビと並んで大手なので、求人は豊富。もちろん経験者向けに、非公開求人も充実しています。スタッフの実力も高いため、製造業専門ではないもののしっかりとサポートしてもらえるはずです。