変化が大きい今の時代、転職の仕方も変わってきています。その主な例が、「外資系企業への転職」。
これまで外資への転職といえば、「実力主義なので生き残れない」「ドライな社風で、日本人に合わない」というイメージ。転職先として考える人は、かなり少ない状況でした。ただ、最近はこの流れが変わってきています。
特に製造業である程度の経験やスキルがあるなら、フラットな目で外資系も考えてみるのも良いかもしれません。
ここでは、「製造業での、外資系への転職」について解説します。
製造業での転職は今後、外資系も考える価値アリ!3つの理由
なぜ外資系への転職が盛り上がってきているかというと、大きく3つの理由があります。
- 海外メーカーが、大きく成長しているため
- 日本のメーカーも結局、実力重視になっているため
- 英語のハードルが下がっているため
ひとつずつ見ていきましょう。
海外メーカーが、大きく成長しているため
平成の時代、日本の製造業は世界でもトップクラスの品質を誇っていました。「メイド・イン・ジャパン」が大きなウリになり、「世界の○○モデル」みたいなフレーズもありましたよね。
ただ、最近は海外メーカーが、品質の良い製品を低価格で販売するようになっています。アメリカのPCメーカー「デル」や韓国の家電メーカー「LG」などはもう普通で、日本の製品と比べても同レベル。掃除機で有名になったダイソンはイギリスです。
これはあくまでも一例で、海外メーカーの勢いは加速しています。
これに対して日本は少子高齢化の流れで、各メーカーは以前より元気がありません。もちろん今もソニーやパナソニックなどは頑張っていますが、やはり海外メーカーのほうが目立ちます。
これから実力をつけるなら、時代に合った商品を作っている海外メーカーのほうが、大きく成長できるはずです。
日本のメーカーも結局、実力重視になっているため
外資系といえば、「徹底した実力主義」というイメージがあるもの。ただ、最近は日本でも、実力を重視する企業が増えています。
入社すれば安定と思われていた大手企業も、年齢が上がると給料も上がる「年功序列」は崩れてきています。
「大手はまだ大丈夫だよ」と思われていましたが、変化のスピードは今後も加速するはず。思った以上に早く、実力重視の評価にシフトする可能性があります。
また、日本にもさまざまな企業があるように、海外メーカーの風土も会社によって違います。
「外資=実力主義」と単純に考えるのは、特に最近は少しまとめすぎです。外資系企業も時代に合わせて雰囲気が変わっていて、以前よりもワークライフバランスを重視する会社が増えています。
外資系は以前から、「やるべきことを時間内に終えて、定時で帰る」という働き方が多いです。ただ、最近はこれに加えてリモートワークや有給の取得などもより積極的に取り入れられています。
「日本の企業でもどうせ頑張らないといけないなら、可能性のある海外でチャレンジしたい」と考える人が増え始めています。
英語のハードルが下がっているため
外資系企業で生じている変化としてもうひとつ、「英語スキルのハードル」があります。
以前は「TOEICスコア800点以上」など、かなり高い英語スキルを求められる求人が中心でした。ですが最近は転職する時点で英語がそれほど話せなくても、「英語に抵抗がない」「これから学ぶ気持ちがある」という人ならOKとする外資系企業も増えています。
今ならTOEICで600点くらい取れていれば、採用のチャンスは十分あるはず。「英語はあくまでもツールであり、やる気やスキルのほうがより大切」ということです。
外資系に転職するときに身に着けておくべき、3つのポイント
以前より転職のハードルが下がっているとはいえ、外資系に転職する人はまだ少ないです(だからこそチャンスがあるのですが)。興味がわいたら、次の3つがあるかチェックしてみてください。
【外資系に転職するなら、この3つは必須!】
- チャレンジ精神
- 経験・スキル
- 英語力
チャレンジ精神
外資系では成果を常に求められます。もちろんクリアできないくらい高いハードルは課されませんが、「安定して働けて、そこそこの給料がもらえればいいな」という考えはNG。
- 「仕事を通して、より実力をアップしたい」
- 「今伸びている企業で、自分も頑張りたい」
現状維持の安定よりチャレンジを求める人に、外資系は向いています。
経験・スキル
海外の企業は「自社の利益に貢献してくれる人なら、高い報酬を払ってでも採用したい」と考えています。つまり、経験・スキル・実績のある人は、それだけで採用してもらえるチャンスが高くなります。
- ある分野で高い専門知識や技術がある。
- 大きなプロジェクトのマネジメント経験がある。
- 工場を改善して、売上を大きく伸ばした実績がある。
上のように、「これができます」「こんなことをしてきました」というアピールポイントがあれば、ある意味で外資系への転職はラク。やる気・熱意・人柄も大切ですが、実務的な能力がより重視されます。
英語力
上で必要とされる英語スキルのレベルが下がっていると説明しましたが、ある程度はやはり必要。目安として、TOEICで500〜600点くらいは必要と考えておきましょう。
ただしこれは、あくまでも目安。企業によっては「そんなすごい実力があるなら、英語が少しできなくてもぜひ来てほしい。英語はこれから勉強すればいい」と考えてくれることもあります。
「英語は全然ダメ」というレベルでなく、海外の企業に興味があるなら、考えてみる価値はあります。
「外資系での勤務経験あり」という実績は、今後の仕事に大きなプラス
最近はいろんなところで、「希少価値のある人材になるべき」ということが言われます。ただ、普通に国内企業で働いていると周りの人と同じ状況なので、希少人材になりにくいです。
ですが外資で働けば、それだけで周りをリードすることができます。英語に抵抗がある人はまだ多く、海外メーカーで働いたことがある人も少ないです。こうした中で外資系に転職すると、ほかのエンジニアと大きく違う経験・スキルを身につけられます。
今後、海外メーカーの存在感はさらに高まるはず。日本がここから追い抜く可能性はなくはないものの、今の流れを考えると厳しい状況です。外資で働いた経験は、それ自体が今後の財産になります。
ただしもちろんですが、外資に入っただけで何もせずに辞めてしまったら、あまり価値はありません(汗)チャレンジする気持ちをもってベストを尽くせば、実力も収入も、転職での市場価値もついてくるはずです。
面接では、とにかく「スキル・実績」が大切。やる気・熱意は自分の中にあればOK
外資系メーカーに転職するには面接に合格する必要がありますが、一般的な面接よりもある意味わかりやすいです。
1番のポイントは、「スキル・実績」。転職しようとしている会社に貢献できる力があるかどうかが大切で、やる気や熱意、人柄などは特にアピールする必要はありません。
仕事で大きな実績があるということは、それだけしっかり取り組んでいる証拠。つまりヒューマンスキル的な面も期待できることになります。
面接を受ける前に、身につけているスキルやこれまでの経験・実績を整理しておくと良いです。自己分析は現状を整理するキッカケにもなるので、これはこれで自分のためになります。
いきなり転職するわけではないので、まずはエージェントで相談を
「外資系もいいかもしれない。でもやっぱり、不安はあるな・・」
こんなときは、「すぐに転職を決断する必要はない」ということを知っておくと良いです。
情報収集を始めても「やっぱりやめとこう」と踏みとどまることはできますし、面接に受かってもネックになることがあれば辞退することもできます(マナーは守りましょう)。
まずは転職エージェントで、自分の実力で転職できる企業があるかどうか、もしあるならどんな企業が候補になるのかなど、相談してみると良いです。
エージェントにとっても、外資への転職を考える人はサポートしがいがある人材。適性を踏まえた的確な提案やキャリアのアドバイスをしてくれるはずです。
製造業の外資系企業の求人を探せる転職エージェント
外資系への転職を考える場合、利用する転職エージェントも考える必要があります。
外資系は「ハイキャリア」と呼ばれる、ランクの高い転職ケース。そのため一般的なエージェントだと、求人やスタッフのサポートに不満を感じる場合があります。
外資系を目指すときに使いやすいエージェントは、次の3つ。ビズリーチは有料ですが、それ以外は無料で利用できます。
ハイキャリア転職の先駆け的なエージェント「ビズリーチ」
まずはテレビでもCMが流れているビズリーチ。ハイクラス向けの転職エージェントとしていち早く始まったサービスで、今も人気があります。
ビズリーチは転職エージェントの中では珍しく、有料のサービス。会員登録だけなら無料ですが、目安として今の年収が750万円以下なら月3,278円、750万円を超えるなら月5,478円の料金がかかります(税込み)。
登録して自分の職歴を入力しておくと、ヘッドハンターからのオファーや企業からの直接スカウトを受けることができます。
有料なのは気になりますが、転職にかける期間は3~6ヶ月ほど。良い案件を見つけるための投資と考えれば、月額料金は安いと思います。
外資系メーカーの求人も充実している「JAC Recruitment」
JAC Recruitment(ジェイエーシーリクルートメント)も、人気の高いサービス。JACの場合、ヘッドハンターではなく「コンサルタント」からオファーがきます。各コンサルタントは業界に精通していて、製造業やメーカーについて詳しい知識があります。これを元に、あなたへ的確な提案をしてくれるはず。
ハイクラス向けの求人は、サービスごとに確保している案件が異なります。そのため候補となる仕事の幅を広げる意味で、JACも使いやすいです。ビズリーチのように料金はかからず無料なので、まずは相談してみるのも良いです。
リクルート運営のハイキャリア向けエージェント「キャリアカーバー」
最後のサービスは、リクルートが運営するハイクラス向けのエージェント「キャリアカーバー」。あまり名前を聞いたことがなかったかもしれませんが、実は大手のサービスです。
キャリアカーバーはリクルートの転職ノウハウと、ネットワークを活かした豊富な求人がメリット。こちらも無料で使えるため、まずは使ってみるのが良いでしょう。
登録するとあとは待つだけで、ヘッドハンターがオファーをくれます。