フォークリフトの仕事に転職するときは、「事故の可能性ってないのかな」と心配になることもあるもの。
フォークリフトは免許を取るときに学ぶ知識や、研修で教えてもらう職場のルールを守って運転・作業をすれば、まず安全。ただ、慣れてきて「まあ大丈夫だろう」のように油断すると、トラブルが起きてしまうこともあります。
ここではフォークリフト作業で、どんな事故が起きる可能性があるのか紹介します。仕事を始めたら安全第一!いつも注意してほしいと思います。
フォークリフト作業中に起こる可能性のある事故
フォークリフト作業で起きる可能性のある主な事故は、下の5つです。
- 衝突事故
- 転倒事故
- ツメ角度の調整ミスによる事故
- 積んでいたものが落ちてしまい、トラブルが発生する事故
- 人を乗せて持ち上げるなど、本来と違う使い方をして起こる事故
衝突事故
工場や倉庫では、たくさんの荷物や製品が発生します。忙しいときはフォークリフトでたくさんの荷物を積み下ろすこともあり、テキパキと運転しないといけないこともよくあります。
こうしたときに起きやすいのが、衝突事故。同じ場所で作業しているフォークリフト同士でぶつかってしまうこともありますし、工場や倉庫内にいる人と衝突してしまう可能性もあります。フォークリフトは重量があるため、人との衝突は命に関わることもあります・・。
これを防ぐには、とにかく「スピードを出しすぎない」「周りを確認して運転する」ということが大切。忙しいときほど気をつけてください。
転倒事故
フォークリフトで起きる事故として、「転倒事故」も多いです。
- スピードの出しすぎで、カーブを曲がるときに転倒。
- 持ち上げたものが重量オーバーで、前のめりに転倒。
フォークリフトは、普通の車よりスピードが出ないようになっています。ただ、それでもある程度のスピードが出ていると、カーブのときに遠心力で転倒してしまいます。普通の車と同じイメージでは駄目で、急いでいてもスピードは出しすぎないように注意が必要です。
また、フォークリフトは荷物を前に乗せて運びますが、「この重さまでなら耐えられる(最大荷重)」という数字があります。たとえば最大荷重1トンのフォークリフトで1.5トンのものを持ち上げようとすると、車体が浮いてしまって持ち上げられません。もしくは一応持ち上げられても、前に転倒してしまう可能性があります。
「最大荷重を超えているけど、忙しいし何とか運ぼう」と無理に荷物を持ち上げるのは、とても危険。必ず最大荷重を守り、運ぶ荷物の重さに合うフォークリフトを使うことが大切です。
ツメ角度の調整ミスによる事故
フォークリフトは前方に「ツメ(フォーク)」があり、ここにパレットと呼ばれる板を差し込み、上に荷物などを乗せて運びます。
ツメは角度や位置を変えられますが、正しく調整しないと事故につながります。
- ツメが地面に引っかかって転倒。
- ツメをパレットから引き抜くときに引っかかり、荷物が落ちてしまう。
- ツメで荷物を破損してしまう。
ツメの角度調節は、特に初心者のうちは難しいもの。特にパレットへの差し込みや引き抜きは、パレットとツメを並行にしないと引っかかってしまいます。ツメの調整だけでなくフォークリフトのハンドル操作も同時に必要で、多少の慣れが必要。
また、慌てて運転するとツメが地面に引っかかって転倒の原因になったり、荷物をツメで刺したりしてしまうこともあります。最初のうちはフォークリフトから降りてでもツメの角度・位置を確認して、なるべくゆっくり作業しましょう。
積んでいたものが落ちてしまい、トラブルが発生する事故
これはスピードの出しすぎで起きやすい事故。
たとえば薬品の入ったドラム缶を運んでいて、スピードを出して運んでいたらドラム缶が落ちてしまったとします。ドラム缶内の薬品が漏れ出すと、引火などの事故につながる可能性があります。
忙しいと「早く運ばないといけない」という気持ちになったり、職場の同僚から「早く!」と急かされたりすることもあります。ただ、こうしたときでも落ち着いて、冷静を保つことが大切です。
人を乗せて持ち上げるなど、本来と違う使い方をして起こる事故
フォークリフトは、物を持ち上げて運ぶために使われます。パレットに人を乗せて持ち上げるのは間違った使い方で、事故が起きる可能性があるため危険です。
フォークリフトの仕事に転職したら、最初に研修があるはず。安全についてのルールはしっかり守り、正しい使い方以外はしないことが大切です。
フォークリフトの事故が起きる原因と、その対策
ここまで、フォークリフト作業で起きやすい事故を紹介しました。ただ、事故が起きる場合、そこには原因があり、その対策もあります。
免許を取るときや転職後の研修であらためて確認するはずですが、ここでも紹介しておきます。
【フォークリフトでの事故が起きる原因】
- スピードを出しての走行・カーブ。
- 周りの状況を確認しない(必要に応じて指差し・呼びかけなども必要)。
- エンジンの始動前や荷物の積み下ろし前など、作業時にツメの角度を確認しない。
- 本来とは違う使い方をしている。
- 日頃から点検・整備をしていない。
【フォークリフトでの事故を防ぐための対策】
- 急いでいても、冷静に運転。
- 常に周りを見て、安全確認。指差しや呼びかけもしっかりする。
- 作業前にツメの角度や位置を確認。
- 正しい使い方のみで作業する。
- 慣れてきても油断しない。
ルールを守って正しく運転すれば、事故は起きにくい。油断せずにいつも注意!
フォークリフトはきちんとルールを守らないと、事故が起きてしまうこともあります。ただ、逆にいえば「いつも油断せず、正しく運転すれば事故を防げる」ともいえます。
仕事を始めたばかりのときは当然気をつけることが大切で、慣れてきても初心を忘れないようにしましょう。フォークリフトの仕事を長く続けるなら、基本が大切です。