安定していて働きやすいフォークリフトの求人。転職する人も多い人気の仕事ですが、「将来性ってどうなんだろう」と気になることもあると思います。
各地の工場・倉庫では自動化が進んでいて、「フォークリフトも自動運転になりそう」というのは誰もが予想すること。実際のところどうなのか?
ここでは「フォークリフトの将来性と、今後の需要」を解説します。
フォークリフトの需要は、簡単にはなくならない。4つの理由
一般的には、「多くの工場や倉庫で自動化が進んでいるから、フォークリフトの仕事はなくなるだろう」と思われがち。ただ、企業のプレスリリース・ニュース情報を配信している「PR TIMES」では、フォークリフトの需要が2027年にかけてさらに増えると予想されています。
このニュースによると、「電子商取引ビジネス(例:ネット通販)の成長」と「インフラ産業への投資が増えていること」が、大きな理由。
世界のフォークリフトは2020年時点で約164万台。これが2027年には273万台になるとの予測だそう。つまり1.6倍くらいになると見込まれています。フォークリフトが増えれば運転する人も必要とされ、求人は今後もあるはずです。
自動化・ロボット化が進んでいるのに、なぜフォークリフトが増えると考えられているのか?
それには4つの理由があります。
ネット通販を使う人が増えていて、工場での在庫管理、倉庫での搬入作業も増えているため
最近ドンドン増えているのが、ネット通販を使う機会。コロナウイルスの影響から家で過ごす時間が多くなり、もともと増えていたネット通販を使う機会はさらに多くなりました。
これはつまり、「商品を作っている工場での在庫管理、倉庫での搬入・搬出作業も増える」ということ。
もちろんこうした作業はロボットで行われることもありますが、それはアマゾンのように大規模な工場・倉庫の場合。小・中規模の工場などでは人がフォークリフトを運転する機会は増えていて、求人も積極的に募集されています。
工場や倉庫は自動化が進んでいるが、それは荷物を運び入れてからの話だから
工場や倉庫の中では自動化が進んでいますが、それは決まった位置に荷物などを置いてからの話。「そもそも工場や倉庫に商品を運び入れるまではどうなるの?」というと、まだやはり人の手が必要です。
工場・倉庫の形はばらばらで、周りの地形も違います。自動運転で搬入や搬出作業ができるようになるには、まだ時間がかかります。
これもアマゾンなどの大手企業は早く対応するかもしれませんが、中小企業の工場・倉庫はまだ人がフォークリフトを運転するほうが早いと考えられます。
大きな工場や倉庫はまだまだ増えていて、フォークリフト人材も合わせて必要だから
ネット通販や新しい製品・技術の登場に合わせて、大きな工場や倉庫はまだまだ増えています。上で紹介したようにフォークリフトの台数も増えていて、運転するリフトマンも必要とされるはずです。
中小企業の工場・倉庫は、人が運転するほうが臨機応変に対応できるから
ロボットによる自動化が進んでいるのは、大企業の工場や倉庫。テレビやネットでも取り上げられることが多いですが、中小企業の工場・倉庫も数多くあります。
それほど規模が大きくない職場では、ロボットなどの導入コストより、人がフォークリフトを運転するコストのほうが安いです。また、人が運転すると小回りが利くため、細かい作業にも対応しやすいメリットがあります。
作業を自動化するには、なるべく動作をシンプルにする必要があります。逆にロボットのほうが不便になってしまう場合もあるため、フォークリフトの人材がゼロになることは、まだしばらく考えにくいでしょう。
フォークリフトの将来性は「一生安泰」とまでは言えない。状況を見ながら転職を考える必要あり
以上のようにフォークリフトの需要は、当面まだ高まると予想されています。求人もまだまだ募集されていますが、フォークリフトの仕事が一生安泰かというと、そうは言いきれません。
- 工場・倉庫の中だけでなく、搬入・搬出作業も自動運転で人の手が必要なくなる。
- 中小企業でも、手軽に導入できる自動運転のフォークリフトが登場する。
- より簡単・手軽に扱えるフォークリフトのような乗り物が登場する。
上のようなことは十分考えられるため、状況を見ながら転職を考えるのが良いかもしれません。
ただ、フォークリフトの仕事は2021年現在、まだたくさん募集されていて、条件も比較的良いです。特に派遣で働く場合は時給1,500円前後の求人もたくさんあるため、「当面の間、しっかり稼ぎたい」という場合は考えてみるのもおすすめ。
最近はどんな業界・職種でも、ずっと続けるのが難しくなっています。どうしても時代の変化に合わせて働き方を変える必要はあり、フォークリフトも同じと言えるかもしれません。
ちなみに、いま使われているフォークリフトの需要が減ったときは、自動運転フォークリフトのオペレーターやメンテナンスの仕事が増える可能性はあります。
ドローンも上手く操作するには技術が必要ですが、フォークリフトも同じようになるかもしれません。すると従来のフォークリフトを理解しているほうがすぐに対応しやすいはずで、操作で注意すべきポイントなどもわかるはず。そのため経験はムダにはならないと考えられます。
フォークリフトの仕事はまだしばらくなくならない。時給が高くて働きやすく、転職を考えるのもオススメ
フォークリフトはまだ簡単にはなくならないと予想されていて、求人も全国の工場・倉庫で募集されています。フォークリフトは資格が必要ですが、意外と簡単に取れて働きやすい仕事。派遣なら時給も1,500円前後と高めで稼ぎやすく、正社員なら安定して働けるため、転職を考えるのもオススメです。
もちろん自動化やロボットが普及する可能性はありますが、細かなことを考えると、そう簡単に全て自動化できるわけではありません。
ただしもちろん状況が変わる可能性があるため、ときどき今後の働き方について考えることは大切。迷ったら派遣会社や転職サイトのスタッフに相談しながら、自分に合っているかを考えてみてほしいと思います。